ピロリ菌について

ピロリ菌とは

ピロリ菌は胃の粘膜に見られる菌で、正式には“ヘリコバクター ピロリ”という名称を持っています。50歳以上の方では50~60%程度に感染が見られます。ピロリ菌に感染しているとピロリ菌のさまざまな影響で胃の粘膜がただれたり、胃炎を引き起こすといわれています。また胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの原因にも関係しており、特に難治性の潰瘍病変には深くかかわっています。

ピロリ菌とがんとの関係

WHOは1995年にピロリ菌による発がんのリスクについて報告しています。最近の国内外の学会でもピロリ菌により引き起こされる慢性胃炎や萎縮性胃炎、それについで萎縮した粘膜が腸の上皮のように変化(腸上皮化生)していくことが報告されています。この腸上皮化生によりある種の胃がんが誘発されるとされ、ピロリ菌との関係が取り沙汰されております。

ピロリ菌感染の検査

検査は大きく分けて4種類あります。

1.内視鏡を使って行なう検査(直接細胞を採取して調べる方法)
2.検便による検査(便中のピロリ菌を直接調べる方法)
3.呼気による検査(呼気中のピロリ菌と反応する物質を調べる方法)
4.採血による検査(血中のピロリ菌に対する抗体を調べる方法)

があります。
それぞれのケースで最も適した方法で行います。

ピロリ菌の除菌治療

ピロリ菌の除菌治療ですが、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の潰瘍治療薬と2種類の抗生物質で 1週間の内服治療を行います。この1回目治療で70~80%の除菌が成功します。除菌が不成功の場合でも別の薬剤による2回目の治療もあり、ほぼ90%の除菌が成功します。ただ、現在の健康保険では除菌治療の対象となるのは胃潰瘍あるいは十二指腸潰瘍と内視鏡検査や上部消化管X線検査で診断がついた場合のみです。ピロリ菌感染の検査や除菌治療をご希望される場合は自費診療になることがあります。

以上、簡単にピロリ菌について述べましたが、何かわからない点や疑問の点があればいつでもお気軽にクリニックにおいでください。

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