胃食道逆流症について

胃食道逆流症とは

最近“胸やけ”という症状に代表される「胸のあたりが重苦しい」、「吐き気がする」、「胸にこみあげる熱い感じ」、「胸やのどがひりひりしみる」などの症状で受診される方が増えています。特に50代~70代の女性を中心に増加しています。これらの症状は胃の内容物(主に胃酸)が食道に逆流するために起こる現象で、「胃食道逆流症」(GERD)と呼ばれています。
胃食道逆流症は内視鏡検査にて食道粘膜に炎症のみられる「逆流性食道炎」(RE)と炎症所見のない「非びらん性胃食道逆流症」(NERD)とに分類されます。また咽頭喉頭異常感、咽頭痛、声がれなどの症状を呈する「咽喉頭逆流症」(LPRD)も同じ逆流現象でおこるようです。

胃食道逆流症の原因と検査

原因は大体以下の3点が考えられています

1.胃と食道の間には逆流を防止する筋肉(括約筋)があるのですが、
  この働きが悪くなっている

2.最近の欧米風の高脂肪食などにより胃酸が出過ぎた状態になっている

3.食道から胃に食物を送り込む機能(蠕動運動)が低下している

などがあります。
検査は一般的には胃内視鏡や胃X線検査、詳しい検査としては食道内の
pHモニタリングや食道内圧検査などがあります。

胃食道逆流症の治療

基本的には薬による内服治療が中心です。

1.胃酸分泌抑制薬:胃で分泌される胃酸の分泌を抑える薬で食道の炎症を改善します。プロトンポンプ阻害薬(PPI)とヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)の2種類があります

2.消化管運動機能改善薬:逆流した胃酸を胃に戻し、胃の運動も改善し胃からの内容物の排出を促進します

3.粘膜保護薬:傷ついた食道粘膜を保護し、胃酸による影響を緩和します

手術は胃と食道の間を縫い縮めて補強する腹腔鏡手術があります。

以上、簡単に胃食道逆流症について述べましたが、これらの症状でお悩みの方はお気軽にクリニックにご相談ください。

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